と畜場法施工規則改正
厚生省ガイドライン
米国、豪州、EC基準
上記に対応すべき現状施設の検証課題

1.共通事項

血液、脂肪の付着している部分は温湯を使用する（米国６０℃） 作業終了後は洗浄剤を使用する ホース掛けの設置、ホースの収納 手洗器の設置（１頭処理ごとに） 手洗設備は足踏み式または、自動センサー式とする エプロン洗浄器の設置（作業者が汚染された場合に必要に応じて） 機器の材質はＳＵＳ又は亜鉛ドブ漬けメッキ仕上げ 各機器からの排水は直接排水溝に流す、床に排水してはいけない と体と機器の接触部分は必ずＳＵＳを使用 消毒槽の設置（８３℃以上で温度計付） 作業開始時に処理室の床は乾燥していなければならない（米国、豪州） 皮剥ぎと体及び枝肉が汚染された場合汚染個所は切除する（洗浄禁止） と体、枝肉は壁、機器などに接触してはならない（レールより６００ｍｍ以上） 作業者は作業場への入室、退出時に清潔にする（サニタリー室の設置） 虫、鼠等が進入できない構造とする 水切れの良い構造とする（床勾配の変更）（壁補修） 交差汚染防止、枝肉・内臓・皮・廃棄物・人 クリーンゾーンとダーティーゾーンに間仕切り壁を設ける

2.けい留所（汚染区）

牛けい留柵、１頭ごとの仕切り柵 排水溝、牛の尻側に設置する 牛水飲み、動物愛護 生体検査スペースの確保（専用検査通路の設置） 生体検査場の照度の確保 生体洗浄（高圧温水洗浄） ホース掛けの設置 手洗器の設置

3.と室（汚染区）

牛銃殺後のと体受台（受台を１頭ごとの洗浄） 牛食道結紮（第１胃の手前で結紮） 牛トズル、食道結紮機、ナイフの消毒槽の設置（１頭ごとに消毒） 手洗器の設置（１頭処理ごとに洗浄） ホース掛けの設置 放血ラインでと体同士が接触してはいけない（放血線コンベヤーなど） 他のと体を血液で汚染させてはいけない 牛角カッターフットカッターを設置し使用する 牛角を出来るだけ根元よりカットする 牛角カッターフットカッターの消毒槽の設置（１頭ごとに消毒） エプロン洗浄器の設置 排水溝は放血槽以外の所はレーンの真下に設置

4.解体室（汚染区）

皮剥ぎが完了するまでは汚染区（皮付と体） エプロン洗浄器の設置（作業者が汚染された場合に必要に応じて） 手洗器の設置（１頭処理ごとに洗浄） ホース掛けの設置 牛直腸結紮（１頭ごとに消毒） 牛直腸結紮し肛門で内臓などを汚染しないように処置する（ビニール等の袋） 各機器からの排水は直接排水溝に流す（床に排水の禁止） 排水溝は解体線レールの真下に設置 解体処理時にと体同士が接触してはいけない（解体線コンベヤーの設置） フットカッター、直腸結紮機、エアーナイフ、ナイフの消毒槽の設置（１頭ごとに消毒） 豚皮剥機は１頭ごとに消毒できるタイプとする 牛皮剥機は上から下に剥き下げるダウンプーラーが良い 剥き終った原皮は即座に皮置場に搬送する（処理室内に放置禁止） 作業者台、手洗器、消毒槽の排水は床に流さず、直接排水溝に接続 空トロリーはフック部又は又カギ部を消毒してから供給する 足、不可食、廃棄物の搬送は蓋付の洗浄、消毒可能な容器で速やかに搬出

5.解体室（非汚染区）

皮剥ぎが完了してからは、非汚染区（皮なしと体） エプロン洗浄器の設置（作業者が汚染された場合に必要に応じて） 手洗器の設置（１頭処理ごとに）（給水口と手洗器縁の高さ３１ｃｍ） ホース掛けの設置 排水溝は解体線レールの真下に設置（または汚水受けパン） 解体処理時にと体同士が接触してはいけない（解体線コンベヤーの設置） 頭は切除時に床、壁などに接触しないようにする 牛頭は１頭ごとに洗浄し洗浄水を飛散させてはいけない（頭洗浄箱の設置） ナイフ、胸割鋸、背割鋸の消毒槽の設置（１頭処理ごとに消毒） 内臓摘出は赤物と白物とは別々に摘出し、別ラインの検査がのぞましい 検査ラインは１頭ごとの仕切が必要 内臓検査に使用した器具は１頭ごとの洗浄・殺菌ができなければいけない（内臓摘出シュート、検査シュートの禁止・検査コンベヤーに直接投入） 内臓摘出時に作業者が汚染された場合、エプロン、長靴などの洗浄をする 内臓摘出時にと体が汚染された場合、その部分は切除しなければならない（洗浄の禁止） 内臓検査は枝肉と摘出した内臓は同時進行しなければならない 内臓摘出作業者が汚染した場合、エプロン及び長靴の洗浄を行う 不可食、廃棄物の搬送は蓋付の洗浄、消毒可能な容器で速やかに搬出 枝肉検査で合格した後でなければ枝肉を洗浄してはいけない 枝肉を洗浄した水を飛散させてはならない（洗浄ＢＯＸ、自動洗浄装置） 枝肉に獣毛、ちり等の付着があった場合は洗浄せずに切り取る 枝肉検査で合格した後の枝肉同士は接触してもかまわない

6.懸肉、冷蔵庫

検査保留庫又は鍵付の保留ケージを設ける 枝肉は壁、扉枠などに接触してはいけない 枝国を汚染された手で触れないようにて指を洗浄、殺菌ができる設備を設ける レール切替ポイントの操作ひもで枝肉が汚染されないよう消毒可能な材質にするか又は、エアー式に交換する 枝肉は床より少なくとも３０ｃｍ以上離れていなければならない 枝肉冷却庫はよく洗浄するので水はけ、排水設備を設ける

7.病畜と室

器具類は専用とし明記されている事 設備、器具を洗浄消毒できるための８３℃以上の給湯設備を有する 手指、エプロン、長靴の洗浄消毒ができる給湯設備を有する 検査保留用冷蔵庫が設けられている 内臓検査台が設けられている 検査が可能な場所を有する ホース掛けの設置 と体と機器の接触部分は必ずＳＵＳを使用

8.その他施設

更衣室のロッカーは床より４０ｃｍ以上離さなければならない（清掃） 便所の出入口は自動開閉扉でなければならない 処理室の出入口は自動開閉扉でなければならない トロリー返送台車、廃棄物搬送台車は洗浄殺菌しなければ処理室に入室できない（台車洗浄室の設置）

9.基準値（参考）

床勾配（米国、豪州） 洗浄作業を行う場所 １：２５ 上記以外で水を使用する場所 １：５０ 水の使用量の少ない場所 １：１００ 照度 照度ルクス 作業場所 検査場所 生体検査 日本 （ガイドライン） ２２０ ５４０ １１０ 米国 ３３０ ５４０ 豪州 ２２０ ６００ ＥＣ ２２０ ５４０ ※なお照度は半年に１回以上の測定 けい留所 側壁の高さ０．３ｍ以上（米国） と畜解体施設 巾木 半径７５ｍｍ以上 （米国、豪州） 天井の高さ レールより１ｍ以上 （豪州） 腰壁の上面の傾斜 ４５°以上 （豪州） 排水溝の設置 ３７ｍ２当り１個 （米国） ４０ｍ２当り１個 （豪州） 排水管の直径 豚の胃腸内容物の排出 １５．２ｃｍ その他の排水系統 １０．２ｃｍ 解体室の床排水口の幅 ６１ｃｍ （米国） 給湯設備 手洗い用 ３５℃〜４５℃ （豪州） 施設洗浄用 ６０℃ （米国） 消毒用 ８３℃以上 （米国、豪州） ホースの長さ １８ｍ以内 （豪州） と体及び枝肉の最も低い部分から床までの間隔 ０．３ｍ以上 と体とと体の間隔 ０．９ｍ以上 （米国、豪州） 放血レールと作業プラットホームまでの距離 ３．１５ｍ以上 水を使用する器具類の縁の高さ ３０ｍｍ以上 （米国） ５０ｍｍ以上 （豪州） 白物検査コンベヤーの１頭分のパンの大きさ ６２０ｍｍ×６６０ｍｍ×７６ｍｍ （米国） ７５０ｍｍ×６００ｍｍ×７５ｍｍ （豪州） 壁と機械設備との間隔 ０．６ｍ以上 （米国） ０．３ｍ以上 （豪州） テーブル等を使用する場合のと体間隔 ０．９ｍ以上 （米国、豪州） と畜解体施設の出入口の幅 １．５２ｍ （米国） １．５ｍ （豪州） 牛処理が２０頭／時を超える内臓検査は コンベヤーを使用し１頭毎に洗浄消毒できる設備があること（米国、豪州） 部分肉処理施設 室内の温度 １０℃以下 （米国） １２℃以下 （ＥＣ） 包装梱包資材の保管棚の床からの高さ ０．３ｍ以上 （米国）

10.記録の保存

給水設備 水質検査　結果を１年間保存 消毒装置、浄水装置作動確認 日時、結果、確認者、その他必要な記録　１年間保存 冷蔵設備 枝肉、内臓 作業開始前１回　作業時間内１回以上の測定 日時、温度、測定者、その他必要な記録　１年間保存 不可食部分 廃棄物 日時、処理方法、作業者、その他必要な記録　１年間保存 防そ、防虫設備 駆除方法 日時、駆除方法、作業者、その他必要な記録　１年間保存 薬品 洗浄剤、消毒剤 開封日、名称、開封者、その他必要な記録　１年間保存 殺そ剤、殺虫剤 使用日、名称、使用者、その他必要な記録　１年間保存 なお米国においては３年間保存

11.管理責任者の設置

衛生管理責任者 施設の衛生管理計画書を作成し適切に実施されている事の確認を行う専業者 確認の結果をと畜場の設置者又は管理者に報告する義務 作業衛生管理責任者 処理作業の衛生管理計画書を作成し適切に実施されている事の確認を行う専業者 と畜又は解体作業を行う者に対して衛生的な作業方法を教育する